Heiko Hillig氏の代表作は、ポートレートにもある「アークレインボウ」。虹色に彩られた薄い板状の木が、美しい円形のカーブを描く。9枚の板と1本の棒で構成された積み木だ。
板のカーブを利用して、想像力豊かな造形が何パターンも楽しめる。また、バチで叩いたり、カーブの上にビー玉を転がしたりすることで、カランカランと良質な木独特の美しい音を奏でる。もちろん、積み木に失敗して、パーツが崩れてしまうときも同様。自然な素材から発せられる音は耳に心地よく、失敗してもなんだか気分がいい。
この作品は、彼が学生時代(94年)にデザインをしたものだそう。1996年には、ドイツのデザイン賞Form1996賞を受賞。その後、1998年にはドイツ連邦プロダクトデザイン賞を受賞。この賞では、プロダクトデザインのフィールドで初めて玩具が受賞した。それは、玩具としての美しさはもちろんのこと、工業製品としての完成度の高さがドイツ国内でも認められたという証だ。