クリスチャン・マークレーはカリフォルニアで生まれ、スイスで育ち、現在はニューヨークを拠点に活動中。彼の彫刻、インスタレーション、ビデオ、パフォーマンスの中心にはいつも音楽と音の密接な関係があります。1970年代にヒップホップが流行した時、マークレーは楽器としてターンテーブルを使った最初の1人。評論家のトム・ジュレックから『ターンテーブルを知らずに発明した人』という称号が与えられました。以来、ウィリアム・フッカー、エリオット・シャープ、ジョン・ゾーン、ソニック・ユースを含む多くのミュージシャンとのパフォーマンスやレコーディングを行っています。マークレーが制作したのは、”TINSEL”。始まりも終わりもなく繰り返すメロディーと、ネジを巻かないとやがて回転が遅くなるオルゴールの仕組みが、予測不能なことを認識可能なこととして、伝統的な手段で表現するオルゴールです。ボックスの外側に”SILENT(静寂)”、内側に”LISTEN(聴く)”と書かれていますが、実は作品の名前”TINSEL(虚飾)”を含む3つの言葉は、アルファベットのつづり換えゲームを構成。サンクロアにあるスイスで最後に現存するオルゴール工場、リュージュ社で作られました。