エミリー・カーメ・ウングワレーはアボリジニを代表する画家。
80歳になる直前に初めてアクリル絵の具を得、絵画を描き始めます。86歳でなくなるまでの約8年間に、4000点に及ぶ作品を制作しました。
アトリエは常にオーストラリアの砂漠の大地。西洋美術との接点が全くなかったにも関わらず、抽象的で驚くほどバリエーション豊か。老齢にも変わらずたいへんパワフルです。
この抽象性は、おそらくボディーペインティングを嗜んでいたためと思われます。彼女の描く姿はビデオに残されています。なんのためらいもなく絵筆を進める様は、過去何十年と筆を執っていたかのよう。確かに、キャンバスへ描くことは初めてだったのかもしれませんが、描くことに対する抵抗は全くなかったのでしょう。