粋なガラス職人が作りだしたドリッパー
コーヒーの淹れ方は、ペーパードリップ、サイフォンと幾つかありますが、最もおいしい淹れ方はネルドリップといわれています。
ネルは、フランネルの略で起毛のある柔らかい毛織物のこと。
今回、はじめてネルドリップのコーヒーを飲む機会に恵まれたんですが、起毛に包まれてじっくり抽出されるコーヒーは、とろりと濃厚。
酸味も苦味も丁度良く、本当においしい。
残念ながら、手間と時間のかかるネルドリップは、段々と気骨のある老舗であったり、こだわりのあるコーヒーショップでしか出されなくなっているそうです。
でも、今回体験したネルドリップは、そういったコーヒーショップではなく自宅でした。
製作している所在地を冠している三ノ輪2丁目ネルドリッパー。
名前の通りネルドリップのために生まれてきた、全てがハンドメイドで作られています。
まったくの初心者でも、添付の説明書きの通りに淹れればおいしいコーヒーが飲めるようになっています。
三角フラスコを繋いだようなその姿は、熟練したガラス職人が、ひとつひとつ手吹き作業で行われているので、ガラスポットの肉厚に多少のばらつきがあるところが、愛らしいところ。
そして、最後の仕上げは、巻かれた中央と取っ手の革と黄色いビーズは、ネルドリッパーとして品質を合格した栄誉の証。
「冷たい硝子に、職人の熱い想いを感じていただけたら幸いです。」とは小泉硝子製作所。
いやぁ、粋ですねぇ。